新年明けましておめでとうございます。

今年も東京認知行動療法センターをよろしくお願いします。

 

皆さんは初夢をご覧になりましたか?

 

夢といえば、雑誌BRUTUSで昨年2月に「夢の値段」という特集がありました。

夢を実際に買える形にして叶えるというものです。

 

改めて読んでみました。

 

例えば・・・

  • 風船に乗って宇宙に行きたい(ふうせん搭乗券) ¥1,296,000
  • 一生忘れられない植物の贈り物が欲しい(樹齢1000年のオリーブ) ¥10,000,000
  • アメリカの「尊敬できる日用品」が欲しい(<BEST MADE>の斧) ¥79,056

 

などなど、夢にも色々ありますね。中には、、、

  • 夢に向かう力をくれる名刺が欲しい(K.S.が名刺をデザイン) ¥55,555

 

なんと!デザイナーの名は、作成した2020年東京オリンピックエンブレムが使用中止となったS氏。今となっては儚い感じがいたします。

 

ちょっと脱線しましたが、夢には値段がつけられるんですね。

 

ところで、私の友人には、葛藤に値段をつけた人がいます。

葛藤というと穏やかでありませんが、こんな次第です。

 

彼女は子どもを保育園に預けながら働くワーキングマザーです。

 

立ってるものは親でも使えといいますが、彼女の場合、母親には出来る限り頼らないようにしていたそうです。

それは、子育てにうるさく口出しする母親に辟易していたためです。

そして、そんな母親と向かいあっていると、自分自身の進学や就職も母親に言われるがままであったと悔しい思いが溢れて仕方がなかったそうです。

 

でも、急な残業や子どもの発熱の時には、母親の手を借りざるをえないことがあります。

ただでさえ仕事や子どもの気がかりが増したところに、母親から受けるストレス。

そんな時は、イライラが増し、ついついご主人に八つ当たりしてしまったそうです。

 

そこで、彼女は母親ではなくベビーシッターに頼むことを考えました。

相場は時給2000円〜3000円。

その時、彼女はこんな風に思い至ったそうです。

「母親に対する葛藤に値段を付けるとすると、時給3000円程度にしかならないのか。でも、待てよ、一日預けると定時に帰ったとしても、通勤時間を含め10時間にはなる、そうしたら30,000円。これはちょっとバカにならないぞ。ここは葛藤に目をつぶってでも、頼む価値はあるのかもしれない」

 

そう思ったら何となく肩の力が抜けて、それからは、母親にも抵抗なく子どもの世話を頼めるようになったそうです。

母親が口うるさいのは相変わらずですが、「3000円、3000円」と聞き流しているそうです。

 

認知行動療法では、問題状況に対し浮かぶ自動思考に対し、別の視点から見るとどうか、代わりの考えはないかなどの点から検証を行います。彼女の場合は、幸いにも自分で「値段」という新たな視点を見つけることができました。

しかし、問題の渦中にいると、どうしても、その代替的思考を見つけるのが難しいものです。そんな時は、頭の中で考えるのでなく、紙に書き出すといいかもしれません。また、当センターでは、思考記録表などを用いながら、自動思考に変わる柔軟な考えを見つけ出すお手伝いを、心理士がしております。

今年も皆様のお力になれるよう、当センターの心理士一同精進してまいります。どうぞよろしくお願いします。

(Y.T.)