「ヒトデやナマコの気持」

 

皆さんはヒトデやナマコを触ったことがありますか?

先日、水族館に行った際に、初めて触ってきました。
ウニョウニョ、ネチャネチャとした気持の悪い触感を想像していましが、思ったよりも固い触り心地。ドキドキしたけれど、実際触って見なければ分からないので良い体験でした。

それでは、ヒトデやナマコにとってはどんな体験だったのでしょう・・・???

水族館ではそんなことを考えてもみませんでしたが、半月後にヒトデやナマコの気持を知ることとなりました。

それは映画「ファインディング・ドリー」を観た時のこと。
映画の舞台は水族館。そこにも、私が行った水族館と同じようにヒトデやナマコと触れ合えるコーナーがあります。

でもこの映画が私の体験と違ったのは、その触れ合いが、人間ではなくヒトデやナマコの視点から描かれていたところです。

水槽の上から空襲のように次々と差し込まれる、子どもたちの手、手、手。
逃げるすべもなく悲鳴をあげながらひっぺがされるヒトデ。容赦なくつつかれるナマコ。

ヒトデさんやナマコさん(ここからは敢えて敬称)にとっては、触れ合いなんて生易しいものでなく、恐怖の体験だったのですね。想像もしませんでした(^_^;)。

反対の立場から物を見るって思ったよりも難しいことです。

認知行動療法で用いる手法にコラム法があります。
まず、嫌な気分を引き起こす考え(認知)と、それを裏付ける事実(根拠)を挙げます。次に、その根拠が必ずしも正しくないことを示す事実(反証)を探してもらいます。この反証が次々と浮かぶようになると、認知はより適切なものへと変化していきます。

しかし、この反証を見つけるのが難しい時があります。私達の認知は、ある特定の方向からしか物を見ない癖のようなものがあるからです。普段は水槽の上から人間の視点でしか物を見ず、水槽の中から見上げることがないのと同じです。
あ、もしかしたら、さかなクンは両方の視点を持っているかもしれませんが(笑)。

認知行動療法を面接形式で行うメリットの1つは、視点の転換を第三者が手助けする点にあるのかなとドリーを観た後に思いました。

もし独学で認知行動療法を試してみて、何となくピンと来ないことがあれば、是非センターに来てみてください。

(Y.T)