子ども・若者のうつ

 

子どものうつの症状は大人と変わりませんが、下記のような子どもならではの特徴によってうつと思われないことが多くあります。

子どものうつ

うつになると、否定的な気分や身体の症状、否定的な考え方が生じ、それらによって社会生活においても困難が生じます。そうなるとますます、否定的な気分や考え方、身体の症状が強くなり、さらに社会生活に困難が生じる、という悪循環になってしまいます。認知行動療法は、うつ病に至る悪循環を止めて、良い方向に気持ちを持っていくために活用します。

下記の項目のうち、最近のお子さんの状態にあてはまるもの、近いものはありますか?

  • 友だちと遊ぶことが少なくなった。
  • 元気がないな、と感じることが多い。
  • 表情が乏しくなった。
  • 口数が少なくなった。
  • なんでもないことでよく泣くようになった。
  • 食欲がなさそうだ、食べる量が減った。
  • あまり眠れていない様子だ/寝すぎだと感じる。

これらのうち複数にお心当たりがあるようでしたら、もしかしたらお子さんは「うつ」状態かもしれません。

「うつ」病は、ご本人やご家族のせいではありません。「どうしてできないの」と問いただしたり、「おかしい」と指摘したり、あるいは叱ったりしないでください。むしろ、つらそうな気持ちに寄り添い、ご本人に協力する姿勢を見せてあげることが大切です。

「うつ」病からの回復は可能です。当、心理教育相談室では、「認知行動療法」という方法に基づいて解決のお手伝いをしています。

認知行動療法とは、「考え」、「気持ち」、「行動」の関連に着目し、それぞれを調節することで心の問題を改善することを目指す方法です。

当センターでは、認知行動療法によって7歳~20歳のお子さんを対象に「うつ」を改善できるよう、プログラムを開発しています。

うつ状態を深刻化させず、抜け出すためには、考え込まない、他者に助けを求める、気晴らしをする、できそうな行動をしてみるなどが大切ですが、お子さん一人では、また家族だけで抱えているうちはなかなか難しいことがあります。そのようなときには、臨床心理士にご相談ください。

希望を持って、まずはご相談のお電話を掛けてみてください。 皆で協力して落ち込みのスパイラルから抜け出しましょう。

スクリーンショット 2013-04-13 13.32.42

認知行動療法では、3つの側面からうつに対して対処していきます。

1.考え方の幅を広げる(認知再構成)

うつになると否定的な考え方が固定化されてしまいます。対処としては、否定的な考え方をしていることに気付き、他の柔軟な考え方ができるようになることを目指します。

例)この犬はどちらの考えをするといい気分になるでしょうか?

子どもと若者のうつ

 

2.行動の選択肢を広げる(行動実験、活動記録表

うつになると意欲や関心の低下から行動自体が制限され、楽しみや喜びが感じられないためにうつが維持されてしまうことがあります。できそうなことから行動のパターンを増やすことを目指します。

例)元気だったとき、楽しかったことは?

 

3.社会関係の変容を目指す(SST、アサーション・トレーニング)

対人関係のパターンも、うつを維持させる要因となります。関係のパターンを見直し、変えて行くことがうつからの回復につながります。

こどものうつ

最初の一歩を踏み出すことが大変ですが、相談しようと思ったことが大きな一歩です。お子さんのペースに合わせて、必要と感じることを共に取り組んでいきます。

問題を抱えておられるご本人が来談できない場合でも、親御様(保護者様)がご本人をどのように理解し、どのように対応したらよいのかについてのご相談も受け付けております。

※料金は、「料金・時間」をご覧ください。

1.受付面接

料金:
受付面接×1回
所要時間:
1時間程度
内容:
相談申込書の記入。どのようなことでお困りか、お話を伺います。

2.アセスメント面接

料金:
継続面接×1~2回
所要時間:
各回1時間程度
内容:
受付面接で伺った問題の成り立ちや経緯を把握するため、さらに詳しくお話を伺います。この面接を踏まえて認知行動療法の実施の可否、または今後の対応や進め方を決定します。

3.認知行動療法の実施

料金:
継続面接×12回
所要時間:
各回につき、ご本人面接=1時間~2時間、保護者面接=1時間程度(ご本人、保護者の方が別々の日程で面接することも可能です)
内容:
具体的なプログラムについては、実施が決まりましたらご説明させていただきます(ご本人の状態に合わせ、ご納得いただいた上で参加いただきます)。

4.フォローアップ面接

料金:
継続面接×3回程度
所要時間:
各回1時間程度
内容:
プログラム終了後、再発・再燃の予防や今までの面接の振り返りを必要に応じて行います。実施しないこともあります。
ご案内:受付面接日までに、下記のチェックリストをご用意ください。


ご本人、保護者様各1通ずつ記入してお持ちください。
紹介状をお持ちの方はお忘れないようお願いします。