これを読まれている方は、普段の生活でご自身のメンタルヘルスについて何か気になったり、悩んだりした時にどういう行動を取られますか。

一昔前であれば、家族や身近な方に相談する方が大半だったかもしれませんが、現代では、パソコンやスマートフォンで検索されるという方が多いのではないでしょうか。現に、本サイトをご覧になったことがこのセンターに来談されるきっかけだったという方が結構いらっしゃいます。

インターネットのおかげで、私たちはこれまで知らなかった多くの情報に素早くアクセスできるようになりました。検索サイトを使えば、メンタルヘルスの様々な問題について、似たようなことで悩む他の人々や専門家の意見をすぐに知ることができます。一昔前に情報化社会という言葉が話題になりましたが、現代においてその傾向は更に進み、情報が私たちの生活の中で大きな役割を果たすようになっています。

一方でその弊害もあり、その一つは情報があまりに大量すぎて混乱しまうことです。うつ病や強迫性障害を例にとっても、インターネット上には様々な体験談があり、回復に向けての様々な意見を見ることができます。そのため、どれがいま自分の状態と類似した体験であり、どの意見が参考になるのかがわからないという状態に陥りがちです。

ある意見を参考にしたものの、それが自分にとって適切でない問題の解決方法だった場合、症状をむしろ悪化させてしまう場合も多々あります。ここからわかることは、情報を自分にとって有効なものにするためには、自分がいまどういう状態であり、自分の抱えている問題をどう理解すれば良いのかをきちんとわかっている必要があるということになります。

この「自分の抱えている問題を理解する」ことを来談された方と一緒に行っていく作業は非常に重要で、認知行動療法ではアセスメント(方針策定のための面接)と呼び、心理療法のプロセスの初めの段階に位置付けています。

自分の抱えている問題を認知行動療法の枠組みで見直してみることで、問題解決の糸口を見つける−このアセスメントの作業を心理士と共にじっくり丁寧に行えることが来談されての面接の強みであり、そこでお互い納得できる問題理解ができることが解決に向けての原動力になります。

(S・S)