落ち葉が散り敷かれた公園を散歩していた。紅葉(こうよう)もいよいよ最後だなと思いながら公園全体に広がる木々を眺めていた。そのとき、ふと「紅葉と言っても、紅色だけではない!」という、至極当たり前のことに気がついた。

紅葉といっても、紅赤色もあれば深紅色もある。海老色や橙色だってある。朱色の枯葉は鮮やかだ。赤系だけでない。黄系も色々だ。黄土色もある。公孫樹は、朝日を浴びて黄金色に輝いている。茶色も赤茶色もある。焦げ茶色だってある。

「紅葉」を楽しむといっても、実際には、私達は錦絵のように多彩色に森が染まるのを楽しんでいる。だから、“言葉”に騙されてはいけない。それと同じことが「発達障害」という“言葉”についても言える。「発達障害」という言葉が独り歩きして、多くの人が騙されている。まるで特定の症状をもつ「発達障害」という病気があるかのように誤解されてしまっている。

発達障害があると言っても、実際には、その表れ方は本当に色々だ。そもそも“障害”といってよいのかも怪しい。最近出版された「発達障害のある人のものの見方、考え方」(高岡佑壮[著]ミネルヴァ書房※)を読むと、誰もが「その傾向、私の中にもあるよ!」と思うことばかりである。私などは、「頭の多動性」の傾向などは、とても当てはまる。

同書では、その“濃さ”は色々ではあるが、誰にでも多少なりとも身に覚えのある発達障害らしい“ものの見方や考え方”が、素敵なイラスト付でわかりやすく解説されている。同書を読むと、発達障害が身近に感じられる。とても人間的なあり方だということもよくわかる。それは、ちょうど紅葉という言葉を超えて錦絵のような木々の彩りに感動するのに似ている。(H.S.)

発達障害のある人の「ものの見方・考え方」
— 「コミュニケーション」「感情の理解」「勉強」「仕事」に役立つ人 —
高岡佑壮[著] 安川ユキ子[イラスト] ミネルヴァ書房