コーピング集め

 澄んだ空気が気持ちの良い季節になってきましたね。一方で大型台風の上陸が重なり被害を受けた方もいらっしゃるでしょうか。

 日々の生活上、人生を変えるほどの出来事から些細なトラブルまで大なり小なり様々なストレスが前触れもなく襲ってきます。「眠りが浅くなった」「洗濯機と冷蔵庫が同時に壊れた」「とてもじゃないが自分にはこなせないような業務を割り振られた」「家族が病気になった」等々。

 思いがけずストレスにさらされたときのために、日頃から自分なりの対処法やサポート・リソースをストックしておきませんか。ストレスの程度、局面ごとに、そういう時はどう対処するか、どう手当てをするか。方法やツール、頼る人を収集しておくとお守りにもなります。手帳やスマートフォンに記録しておきましょう。食事に行ったときメニューを開いて料理を選ぶように、いざというとき一覧の中から選択できるよう、可視化しておくと効果的です。

 例えば私は、プレッシャーのかかる仕事を抱えていたり、季節の変わり目など寝つきが悪くなる傾向があります。そこで、いつも携帯している手帳のメモ欄に、「眠れないとき」という項目をつくり、そこに「心配に思っていることを書き出す」「アプリで雨の音を聴く」「YouTubeの子供向け絵本読み聞かせの音声を流す」「呼吸法」「市販の睡眠導入剤を服用する」等々のレバートリーを記録しています。

 「やる気が出ないとき」「自分のことが嫌になったとき」「誰かに相談したい」「怒りがおさまらないとき」などの項目も作っておくとよさそうです。日頃から「これは試してみるとよさそうだ」というコーピングには目を光らせておき、気になるものはメモに追加しておきます。最近は、ストレスコーピングの具体的な方法を紹介した書籍も多く出版されていますね。アイディア探しの宝庫です。

 皆さんも、セルフケアのお守りとして、自分なりのコーピング・メニューを作っておきませんか。(M・E)

参考資料

伊藤絵美(2020)「セルフケアの道具箱-ストレスと上手につきあう100のワーク」晶文社
下山晴彦(2021)「こころのストレッチ」主婦の友社