最近、「考え方を変えたいんです!」という方がよく来談されます。本やテレビ、インターネットなどで勉強されてから来られる意欲的な方が多く、認知行動療法が様々なところで広がりをみせてきたことに驚かされることもよくあります。

こちらとしてもなんとかそのお手伝いができないものかと考えるのですが、よくよく話を伺って今生じていることを共有してみると、どうも考え方以外の問題の影響が大きいのではないかという話になり、当初考えていらっしゃったのとは違った目標で面接が進んでいくことも多いように感じています。

認知行動療法で扱う内容は考え方以外にも、行動や感情、身体やイメージなど様々なものがあり、それらお互い影響し合っていると考えます。そのため、自分では考え方に問題があると思っていても、実はその背景にある行動や感情、更には環境や対人関係の問題が明らかになることも多いのです。

勿論それは心理士の一方的な決め付けではなく、お話を伺い、専門的な観点からの理解を提案し、来談者の皆様の体験と合致しているかを確かめながら探っていきます。

このような問題を明らかにし、その後目標を共有する作業は最初の数回の面接をかけて行うことが多いですが、とても重要なものです。当HPの図では「方針策定のための面接」と書いてありますが、「アセスメント」という言葉を用いたりします。

このアセスメントをしっかり行うことで問題の理解や対応を共有でき、お互い納得して次の段階に進めることになります。その意味で、アセスメントとは面接の方向性を定める作業と言っていいでしょう。もちろんある方向に決めたとしても、ずっとその方向に向かわなければいけないというわけではありません。ここで重要なのはこの方向に向かっていこうということを双方が納得して決めることです。

自分が困っていること、抱えている問題についてこれまでとは違った理解をしてみる–それこそが認知行動療法のはじめの一歩であり、変化へのきっかけとなるものです。問題に対してどういった解決策を用いるかだけでなく、その理解の仕方にも注目してみてください。

(S・S)