2015年のしめくくりに皆様が少しでも幸せな気分になれますように

“Merry Christmas!”

12月ともなると、この言葉が街中にあふれています。イギリスに住んでいた時、この「Merry Christmas」を使うのは気を付けたほうがいいとアドバイスを受けました。

なぜなら、クリスマスはイエスの誕生を祝うキリスト教のお祝いの日ですから、キリスト教でない方々には適切なあいさつではないという理由です。実際、クリスマスカードを送り合う習慣は日本の年賀状のようにありましたが、カードの中のメッセージも”Happy Holidays!”や “Season’s Greetings”と書いてあるものが多くあります。

もう一つこの時期ならでは思い出は、ロンドンにハロッズという有名な高級デパートがあり、クリスマスの日にその前に座っている(特に犬と一緒に)路上生活者の方の収入がいつもの何倍にもなると聞いたことがあります。人々のやさしい思いからなのでしょうか。

前置きが長くなりましたが、街が幸せムードを演出するこの時期、せっかくなら幸せな気分になりたいと思い、自分も人も優しくなれる方法について考えてみました。

インターネットの脳科学に関する情報の中に、「人の悪口を言うと、自分自身が傷つく!?」という記事がありました。そこでは、人間にしかできない高度な思考や感情のコントロールをしている「新しい脳」と言われる「大脳新皮質」と「古い脳」と呼ばれる生体リズムや感情をつかさどっている部分の関係について述べられていました。

「古い脳」は、「新しい脳」から送られてくる情報を主語抜きで理解するため、ライバルに「そこでミスをすればいい」、好きではない相手に「不幸になればいい」と思うと、自分自身に悪く言っていると判断してしまう可能性があるというのです。

認知行動療法のテクニックの一つに「セルフトーク」という自分に対して肯定的な言葉をかける方法がありますが、「新しい脳」と「古い脳」の関係を考えると「自分自身に対して」だけではなく、「人にも」肯定的な言葉をかけると、気分は明るくなったり、優しくなったりするのかもしれません。

脳の話は奥深く複雑なので、一概には言えませんが、実体験からも自分に対してだけではなくて人に対しても悪口や否定的な言葉を使うと気分が優れないことがあります。幸せなムードを演出する街に刺激を受けて、自分や人への「トーク」を優しいものにしてみると自分も人も少しハッピーになれのるかもしれません。

2015年、多くの皆様に出会えたことを心から感謝いたします。心理士一同、これからも皆様のお役に立てるように日々努力してまいります。

(M.M)