怒りが教えてくれること
ここ数年、「怒り」に関して、勉強し、お仕事する機会がいくつかありました。「私に怒り!?自分でさえうまくできないのに…」と。でも、きっとこれは「自分自身が一番学び、戒めなさい。そして、それを社会に生かしなさい」ということなのではと思い、怒りと向き合ってきました。改めて自分なりに色々と勉強し、理論と実際の架け橋として日常ではさまざまな試行錯誤を繰り返した結果、今、実感するのが、「怒りの言い分を聞こう!」と言うことです。
前置きに気合が入ってしまいましたが、「怒りの言い分」は奥深くここでは書き尽くせないので、今回は、特に「考えのくせ」に注目します。
「考えのくせ」とは、「思い込み」や「信念」とも言われるもので、自分のさまざまな考えを形作る、フレームや、自分の考えの土台となっているものです。「このような考えの癖があるから、こういうふうに考えやすい」と言ったものです。そして、怒りにまつわる「考えのくせ」には、「マイルール(べき思考)」、「占い師的考え」、「雪だるま式考え」、この3つくらいが関係していることが多いです。妙なネーミングをつけてしまったので、一つ一つ紹介します。
一つ目の「マイルール(べき思考)」は、「普通、こうでしょ!」という考えの土台です。自分のものさしと相手のものさし、違うのですが、そこを気づかず、「普通、帰ったらすぐうがいするでしょ。」とか「普通、言われたらすぐするでしょ。」という自分の「普通=マイルール」が強く、それを相手にも期待してしまうと、相手が違う「普通=マイルール」を持っていると、怒りやすくなってしまいます。
二つ目が、「占い師的考え」です。先々のことを心配して、不安になり、つい怒ってしまうパターンです。親の立場では、よくあることで、例えば「このままでは、子どもが一人前の社会人になれない」と先のことを心配し、ついつい口うるさく怒ってしまうことがあります。
三つ目が、「雪だるま式考え」です。些細な一つのきっかけでイラッときただけなのに、「いつも」とか「みんな」と、物事を大きく捉え過ぎてしまい、怒ってしまうパターンです。夫がうっかり電気消しわすれただけなのに、「あなたはいつも電気を消し忘れている。何もかも忘れっぽい!」と思い、怒り爆発するようなパターンです。 3つの考えのくせを紹介しただけでは全てを語り尽くせないのですが、「怒りの言い分」を見つめることで、怒っている人の言い分が分かったり、自分の言い分が伝わってきたりします。そして、「そうか、そうか。そういうことだったのか。」と思えたら、相手の怒りをかわしたり、寛容になったり、自分の怒りを「そんな時もあるよね。完璧な人間じゃないし。でも、相手には謝ろう。」と人にも自分にも少し冷静になって、心にゆとりが生まれるかもしれません。そして、この「ゆとり」が、一番心穏やかに過ごせる秘訣なのだと思います。(M.M)