「ほどほどメーター」の使い方

認知行動療法

「ほどほどメーター」の使い方は簡単です。まず、自分の疲れ具合や、自分がどれほどいっぱいっぱいになっているかを測ります。例えばこんな感じです。今日は、仕事で疲れているし、気になることもあるから、メーターはすでに8です(10が満杯として)。そのような場合、子どもに注げるエネルギーは2です。2しかないとなるとどのようなことができるでしょうか。いつも子どもにやらせようとしていた片付けは、忍耐がいるので、明日でもいいかもしれませんし、自分がささっとしてしまってもいいかもしれません(子どもは片付けができないわけではないからいつもさせなくてもいいでしょう)。

「宿題終わった?」と聞いてもきっと無視か「まだ」という返事が返ってくるかもしれないので、今日は聞くのをやめましょう。小さな子どもが気に食わないことがあり泣き始めました。元気があれば、子どもの気持ちを察し、気持ちを代弁し、泣き止むまで30分かかっても抱っこするかもしれませんが、今日は無理です。その場合は、数分だけでもいいので抱っこしながら「どうしたの?嫌だったの?」などと伝えながら、母親は子どもの気持ちに気付いているというところを見せましょう。数分ではきっと足りないです。でも、無視される、あるいはイライラしながら抱っこされることに比べれば大違いです。

このように「ほどほどメーター」で自分の状態と子どもに注げるエネルギー量を測って、その中でできる範囲内で関わるようにすると、感情的に怒ることは減って、長い目で見ると、小さな積み重ねが重なって、子どもが満たされていくのではないかと思います。

ちなみに、子どもに使えるエネルギーがいつも2~3以下の方は、ご自分の疲れや重荷を少し降ろす方法も考えてみてくださいね。そのようなお手伝いも当センターでできますので、どうぞご相談ください。(M.M)